統合失調症とは?
統合失調症は、現実と非現実の区別が難しくなり、思考・感情・行動に異常が現れる精神疾患です。
幻聴や妄想などの「陽性症状」と、感情が乏しくなる・意欲が低下するなどの「陰性症状」がみられます。発症は思春期から若年成人期に多く、長期的な経過をたどることが多いですが、適切な治療と支援により社会生活を送ることが可能です。
原因には、遺伝的素因や神経伝達物質(特にドーパミン)の異常などが関係していると考えられています。タイプとして、妄想型・解体型・緊張型・残遺型などが知られています。
統合失調症に見られる症状
主な精神症状
- 幻聴・幻視(聞こえない声が聞こえる、見えないものが見える など)
- 妄想(被害妄想や関係妄想など)
- 思考や会話のまとまりがなくなる
- 感情の平板化、興味や関心の低下
身体・行動の変化
- 過度な活動または極端な無動
- 表情の乏しさ
- 身なりに無頓着になる
統合失調症に対する治療法
治療は、症状の安定と再発予防を目的に行います。
- 抗精神病薬による薬物療法
- 医師や心理士による精神療法(認知行動療法など)
- 家族への心理教育や支援
- デイケアや作業療法などの社会復帰支援
POINT
統合失調症は長期的なサポートが大切な病気です。
薬の服用を続けながら、周囲の理解と支援のもとで生活リズムを整えることが、安定した回復につながります。
体調やこころの変化は、誰にでも起こり得ることです。
「最近なんとなく調子が悪い」「以前より気分が落ち込みやすい」と感じた際は、一人で抱え込まず、まずは自分の状態を整理してみることが大切です。
少しの変化でも早めに気づき、必要なサポートを受けることで、安心感を得やすくなります。
どんな小さな不安でも、受け止めてもらえる環境や相談先があることを知っておくことが、回復への第一歩になります。