一般財団法人 療道協会 西山病院

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社交(社会)不安障害とは?

社交(社会)不安障害(Social Anxiety Disorder:SAD)は、人前で話す、食事をする、視線を向けられるなどの社会的な場面で、強い緊張や不安を感じる病気です。
「恥をかくのではないか」「周囲にどう見られているか」といった恐怖から、人前での行動を避けるようになり、学校・仕事・人間関係に支障をきたすこともあります。

原因には、遺伝的要因や性格傾向(回避的・内向的)、過去のつらい経験などが関係していると考えられます。
主なタイプには、特定の状況でのみ症状が出る限局型(発表・会食など)と、さまざまな場面で不安を感じる全般型があります。

社交(社会)不安障害に見られる症状

精神的な症状

  • 人前で話すのが怖い
  • 他人の視線が気になる
  • 緊張によって行動を避けてしまう

身体的な症状

  • 震え、赤面
  • 動悸、発汗
  • 腹痛、吐き気
  • 声が震える、頭が真っ白になる

社交(社会)不安障害に対する治療法

治療の目的は、「不安の軽減」と「社会場面での自信回復」です。

  • SSRIや抗不安薬による薬物療法
  • 認知行動療法(不安のもとになる考え方を整理し、曝露療法で少しずつ慣れる)
  • スモールステップでの練習や自己対処法の習得
  • 安心できる環境での支援や心理的サポート

POINT

社交不安障害は「性格の問題」ではなく、治療によって改善できる病気です。
少しずつ人前での不安に慣れていくことで、自信を取り戻し、日常生活をより安心して過ごせるようになります。

体調やこころの変化は、誰にでも起こり得ることです。
「最近なんとなく調子が悪い」「以前より気分が落ち込みやすい」と感じた際は、一人で抱え込まず、まずは自分の状態を整理してみることが大切です。
少しの変化でも早めに気づき、必要なサポートを受けることで、安心感を得やすくなります。
どんな小さな不安でも、受け止めてもらえる環境や相談先があることを知っておくことが、回復への第一歩になります。